2015-01-01から1年間の記事一覧

面と線についての覚え書き

半年くらい前に国立新美術館でやっていた「ルーブル美術館」展と、サントリー美術館での「若冲と蕪村」展を同日に観たことを思い出したんだけど、その時に西洋絵画と日本の絵画の根本的な対象に対する認識の違いというものに気づいたので、少々考察を加えな…

広尾の教会(21世紀キリスト教教会)に行ったこと

昨日は2014年に広尾に完成した安藤忠雄氏設計の私設教会、「21世紀キリスト教教会」に行ってきました。 閑静な住宅街の奥にひっそりと存在する、二等辺三角形プランと直角三角形の開口部が強い印象を放つ教会です。 外壁は安藤建築のイコンともなっているRC…

廃墟について

ピラネージ作『ローマの遺跡群』先日、日本の産業革命遺産として軍艦島などがUNESCOの世界遺産として登録されたというニュースを知った。 世界遺産に認定されれば、維持管理のために「世界遺産基金」から補助金が支給される。建築物や土木構造物などの人工物…

ハンガー掛けを作ったこと

今月、新しい部屋に越してきました。 都心からアクセスも良く、家賃も法外に安いのが嬉しいところです。ところが新居で一番困ったのは服の置場。 新しい部屋は収納が十分になくクローゼットもハンガーラックを持っていないので、適当なものがないかと探して…

儀式的なもの〜日本人における「型」の意味

先日、友人と会話していた時に「男の職場」と「女の職場」の違いが話題になった。 例えば、連休なんかで久しぶりに職場に戻った時の「お土産」に対する意識が全然違うという。 僕の属している建設業は「男の職場」だからか、お土産なんてもらえたってもらえ…

『建築の多様性と対立性』(2011)

ロバート・ヴェンチューリ著、伊藤公文訳 『建築の多様性と対立性』 2011,鹿島出版会ヴィンセント・スカーリーは冒頭の紹介において「これは容易ならぬ本である」との物々しい前書きとともに、そのエッセンスを書き綴る。 彼はコルビュジエとヴェンチューリ…