面と線についての覚え書き

半年くらい前に国立新美術館でやっていた「ルーブル美術館」展と、サントリー美術館での「若冲と蕪村」展を同日に観たことを思い出したんだけど、その時に西洋絵画と日本の絵画の根本的な対象に対する認識の違いというものに気づいたので、少々考察を加えな…

広尾の教会(21世紀キリスト教教会)に行ったこと

昨日は2014年に広尾に完成した安藤忠雄氏設計の私設教会、「21世紀キリスト教教会」に行ってきました。 閑静な住宅街の奥にひっそりと存在する、二等辺三角形プランと直角三角形の開口部が強い印象を放つ教会です。 外壁は安藤建築のイコンともなっているRC…

廃墟について

ピラネージ作『ローマの遺跡群』先日、日本の産業革命遺産として軍艦島などがUNESCOの世界遺産として登録されたというニュースを知った。 世界遺産に認定されれば、維持管理のために「世界遺産基金」から補助金が支給される。建築物や土木構造物などの人工物…

ハンガー掛けを作ったこと

今月、新しい部屋に越してきました。 都心からアクセスも良く、家賃も法外に安いのが嬉しいところです。ところが新居で一番困ったのは服の置場。 新しい部屋は収納が十分になくクローゼットもハンガーラックを持っていないので、適当なものがないかと探して…

儀式的なもの〜日本人における「型」の意味

先日、友人と会話していた時に「男の職場」と「女の職場」の違いが話題になった。 例えば、連休なんかで久しぶりに職場に戻った時の「お土産」に対する意識が全然違うという。 僕の属している建設業は「男の職場」だからか、お土産なんてもらえたってもらえ…

『建築の多様性と対立性』(2011)

ロバート・ヴェンチューリ著、伊藤公文訳 『建築の多様性と対立性』 2011,鹿島出版会ヴィンセント・スカーリーは冒頭の紹介において「これは容易ならぬ本である」との物々しい前書きとともに、そのエッセンスを書き綴る。 彼はコルビュジエとヴェンチューリ…

「宇宙×想像×空間」 原広司氏の講演会で感じたこと

扉絵は「市原湖畔美術館HP」より昨日は千葉県の市原湖畔美術館にて開催中の、 「HIROSHI HARA : WALLPAPERS-建築家原広司による、2500年間の空間思想をたどる写経」 という展示を観に行きました。目的は、展示もさることながら、同時開催の原広司氏およびゲ…

本棚を作ったこと

昨年末に今のアパートに引越してからというもの、日頃の忙しさにかまけてろくに整理をしておらず、見苦しい状態が続いた私のアパートでしたが、式も終わり仕事も落ち着いてきたので、ぼちぼち住みやすくするかなぁと重い腰を上げた今日このごろ。自宅アパー…

デザインの敗北、デザインの勝利〜セブンカフェコーヒーマシーンのデザインを巡って

今日バズってたあるFBユーザーのコメントが、あまりに酷い内容であったのでここに転記しておく。〜日本語がカッコいいと世界の人が気づいた時にまだ、英語がかっこいいと信じてる間抜けなデザイナーが日本には5万といる。 私は、日本で使われている文字の形…

広島建築めぐり 2012夏

8月の12〜14日に広島に行ってきました。 丹下さんの広島平和記念資料館をはじめ、大文字の建築からミニマルな建築まで質の高い建築に恵まれているという広島は、学生のころからずっと行きたくて仕方のなかった場所でした。 今回はこの旅行で観てきた建築群を…

コストのことを考えさせる理由

僕も生意気に後輩の作品のエスキスチェックなんかする機会があるんだけど、最近はしばしばコストのことを口にするようになった。「それ、いくらかかるの?」とか「このデザインなら○○だと単価が高いから××にしたら」とか。あるいはこんな質問もする。「これ…

大分建築めぐり (2日目)

続き(1日目はこちら) 別府湾から朝日がのぼりました。 緋色の太陽を撮るあいさん。今日はまず九重夢大吊橋に行きました。山道をぐるぐるまわること1時間、深い谷地形のところにやってきました。ここに架かっているのが九重夢大吊橋です。 朝なのでそれほど…

大分建築めぐり (1日目)

先日大分の建築めぐりに行ってきました。 もとはというと僕が「建築家の墓」というテーマで卒論を仕上げていたところ、Twitter経由で美大生のまきのさんと出会いました。出身が近所だったこと、茶室制作の経験があること、そして何より「死」という重いテー…

大阪・神戸の建築を見て回ったこと

先日、内定先の内定者懇親会のために大阪へ行きました。 が、のっけから遅刻をしてしまい、懇親会には1時間程度しか出席することができませんでした。何やってんだか…。 幸い同期には恵まれ、その後も意気投合した一部の連中で夜の大阪に繰り出し、その夜は…

論文梗概

昨日、大学で卒論の発表・審査会がありました。 そこで提出した論文の梗概をSkyDriveにて公開しています。興味があったらのぞいてみてください。建築家の墓の意匠に関する研究 ―明治から昭和期の建築家自身の墓を対象として― https://skydrive.live.com/embe…

建築学生は「カーサ」を読むな

表題に驚かれたかもしれない。 「カーサ」とは知っている方も多いかもしれないけど、マガジンハウス社刊の「CasaBRUTUS(カーサ ブルータス)」のことである。 最近は「一個人」などと並んでコンビニに置かれている建築・デザイン系のお洒落な雑誌である。僕…

六甲の教会(風の教会)に行ったこと

今日は先日行ってきた1週間の旅行の中で、特に六甲山にある六甲の教会(設計:安藤忠雄)に行ったことを書きます。 参照したのは『建築MAP大阪/神戸』。ここに掲載されている抽象的な地図だけを頼りに目的地を目指します。 しかしこの教会はロープウェーの乗…

風呂と茶室とブリコルール

この間Twitter眺めていたら、こんな記事を見かけました。 日本人の風呂好きは異常!瓦礫でつくった露天風呂に海外メディア仰天 日本人はことに風呂好きです。哲学者の和辻哲郎は島国日本の湿気が日本人を風呂好きにしていると指摘していますし、入浴すること…

アンフォルメル中川村美術館に行ったこと

ようやく長い寒さもなくなり、日中は穏やかに暖かい季節になりましたねー。 今日は先日の帰省中に行った「アンフォルメル中川村美術館」の事を書きます。 先日NHKのドラマ『TAROの塔』を見ている最中、松尾スズキ演じる岡本太郎がフランスで40年代から始まっ…

色を塗ったこと

就活も終わり、気分一新始めたこのブログ。 もとはと言えばTwitterでものを語ることなどしてたんですが、いかんせん140文字じゃ書けることも限られる。 ここでは140文字じゃ書ききれない、ちょっと込み入った内容のことを綴ろうと思います。 でもなかなかフ…

ブログ始めました

備忘録として、また今後の活動を多くの人に知ってもらえたらなあと思いブログを開設しました。不定期に更新していきますので、どうぞ宜しくお願いします。