六甲の教会(風の教会)に行ったこと

今日は先日行ってきた1週間の旅行の中で、特に六甲山にある六甲の教会(設計:安藤忠雄)に行ったことを書きます。
参照したのは『建築MAP大阪/神戸』。ここに掲載されている抽象的な地図だけを頼りに目的地を目指します。
しかしこの教会はロープウェーの乗り場から少し離れていて、バスも別ルートを回っているため、しばらく歩かなくてはなりませんでした。どうやらルートが閉鎖されてしまっているようです。
この時はなぜ閉鎖されてしまったか、知る由もありませんでした。

山道をてくてく歩いていきます。歩くには気持ちの良い陽気だなーなんて呑気に歩いていました。

しかし・・・








迷った・・・





またいつもどおり山道で迷いました。山道って地図に描かれていない道を歩かせるので、20分くらいぐるぐるしていました。
それらしい建物はみつかりません。

仕方ないのでもと来た道に戻り、近くのホテルに目をやると、

あった。
どうやらホテルに併設されているようです。
が、


ん・・・?



閉まっとるやん!



何ということでしょう。2007年にホテルは閉館していました。
ホテルが閉まっているということは、当然教会も拝むことができません。
ここで教会建築のデータを紹介します。

六甲の教会(風の教会)

設計:安藤忠雄安藤忠雄建築研究所
所在地:兵庫県神戸市灘区六甲山町西谷山
用途:礼拝堂
竣工:1986年3月
構造:鉄筋コンクリート
規模:地上1階

もともとは六甲山にあるオリエンタルホテル付属のチャペルとして計画さてたものでした。人気建築家+教会建築で有名+低予算で美しい空間を作る人。建築家はおそらくそんな理由で選定されたのでしょう。

さて、ここまで足を棒にして辿り着いたのに(←言い過ぎ)、見られないとなると六甲山に来た意味が半分失われてしまいます。
これは是非見たい。どこからか入れないものか。柵越えしてでも

廃墟とはいえ数年前まで営業していたホテル。当然そんなヤワなセキュリティではありませんが・・・

見ぃつけた。

ガッ!




20x40cm程度のコンクリートブロックが1個だけ抜けていたのでここから入りました。体が細くて助かった。
さて、中は想像通りの廃墟でした。

ガチで廃墟です。わーい。

庭の奥にモノリシックな建物が見えます。あれに違いありません。
荒れた庭を進み、とうとう辿り着きました。

長い乳白色のガラスで構成されたプロムナードと、その奥に小さなコンクリートの塊があります。間違いなく安藤さんの建築だとわかる、勿体つけたプロムナードがいい感じです。

この日は曇りだったのですが、柔らかな光が落ちてきます。意外と綺麗だったり。

扉は固く閉ざされ、中は見ることができません。

この逆円錐、「光の教会」でも見たけど何だろう?不学ですみません。


周囲の手入れがされていない自然の中にあって、陰鬱な雰囲気を醸し出しているこの建築。こういう喩えは適切なのかどうかは別として、僕には教会というより華やかなりし時代の墓標のように見えました。
「風の教会」「六甲の教会」なんてキーワードで画像をググれば内部の写真もでてきます。興味のある方は試してみてください。


えー今さらですが…私有地ないし建築物の不法侵入は犯罪です。
皆さんはご自身の判断で行動してくださいね。

では。